ネクタイとシャツのコーディネイト 2

ネクタイの結び方は、今はプレーンノットが主流で、結び目もシャツの襟もあまり大きすぎないものが主流でしょう。


映画『ウォール街』で、マイケル・ダグラスのイタリアン・テイスト的な個性的スタイルと、チャーリー・シーンのアメリカン・トラッド的な服装は、なかなかの対比です。


ただ2人とも、ネクタイはプレーンノットで締めているのは、今日的に合わせています。


これだけスーツ、ネクタイ、シャツそれぞれに特徴がありすぎると、コーディネイトも大変でしょう。


ワイシャツの白は基本として、カラーシャツにしても中間色が増え、縞柄が割と多くなりました。


配色のモデルとしては、ニュートラルなところでコーディネイトを考えてみましょう。


スーツ、ネクタイ、シャツと3つとも個性の強いもの同士を組み合わせるのは、相当オシャレをやり通して来た人か、個性の強い人以外無理をしない方が良いと思います。


ここでは上品なハーモニーを考えてみましょう。


まず主張するものをスーツ、ネクタイ、シャツのうち、どれか一つに絞り込むべきです。


オフィスでは、通例スーツ、ワイシャツ、ネクタイの順に考える人が多いけれど、これはワイシャツが極めて主張が小さく白に近いときには良いのですが、中くらいの濃さのカラーシャツの場合は、合わせる順番はスーツ、ネクタイ、ワイシャツとなります。


例えば、紺のスーツに合ったネクタイを選んでみます。


ネクタイはグラウンドが明るいブルーに赤の小紋だとすると、ネクタイの色の中で面積が少なめのスパイスカラーを選びます。


この場合、赤ですからワイシャツは赤系統を少し薄めた淡いピンクにすると、ネクタイの赤はそれほど目立たなくエレガントになります。

ネクタイとシャツのコーディネイト

芝居も映画も、主役に対する相手役と名脇役とで盛り上がるものです。


主役のスーツに対する、ネクタイとワイシャツという相手役、脇役をどう配するかでその人のセンスのみならず、人品骨柄まで決められてしまいます。


人間の第一印象は、何も服装に限られません。


が、しかしです。


目元すずやかで、なお光輝き、丁重な物腰なれど気色旺盛、その上、品のいいセンスが加われば、これ以上のことはないでしょう。


インターナショナルなマナーが求められる時代となった以上、昔の日本の弊衣破帽的自己主張は、もはや過去のものとなりました。


さて、今ほどネクタイの種類が多彩を極めた時代はなかったと思われるくらい、世界のブランドが競っています。


シャツもまた、白が復活すると同時にルーズになり、また、カラーシャツも原色は衰退したものの、中間色は愛好され、材質も豊富な上に、イタリアン・テイストの影響でバラエティが豊かになりました。


決して昔のままに戻ったのではないのですが、クラシック回帰して、ピンホールやタブカラー、ナローカラーにボタンダウン等々。


ニュースキャスターが競ってファッションに凝っている事もあります。

一流のブランド 2

フランスのブランド、ドミニック・フランス。


世界中のダンディが求める"究極のネクタイ"、ドミニック・フランスの創業は1939年。


織初の町リヨンに専用工場をつくったルネ・ブランドーが始めたネクタイづくり。


素材選びから、織り、デザインそしてネクタイが締めやすくよじれがないよう、布目を斜めに裁断する正バイアスカット、縫製まで一切妥協を許さないというもの。


また、1パターン140本しかつくらないものもあるなど、少ロット主義を貫き、すべて織り柄で質の高いオリジナリティを守っています。


これがネクタイのオートクチュールと呼ばれる所以なのです。


ブランドーの完全主義がすみずみまで染み渡った「作品」には、最高級のヘビーシルクが選ばれ、締めたとき、キュッと快い衣鳴りがします。


そして一度締めたらずっとゆるみません。


パリ・シックあふれるダンディズムと男の風格を演出してくれます。


店はパリのシャンゼリゼ大通りに近いピエール・シャロン通りの本店と、支店がヴァンドーム広場近くのカステリオン通りにあります。


今もアンヌ夫人を中心に、ネクタイ一筋の人生を送ったブランドーの遺志を継いでいます。


一流のブランド

ドイツのブランド、エドソー。


1909年創業。


ドイツ、ベルリンのネクタイ専門メーカー。


製造は、伝統技術を身につけた職人による手づくり。


裁断も人間の手で一本一本ハサミを入れる、正真正銘のバイアス裁ちです。


そのため、表地と芯地のバランスがよく、締め具合は快適で、締めた後に裏返ったりしません。


素材は、シルク、ウール、麻などの天然繊維のみを使っています。


デザインは、ワンポイントものやストライプ、ペーズリーなどのトラディショナルなタイプ、地紋を生かした絵柄など、織り柄ならではの品格と重厚感が感じられます。


また、シーズンごとの流行も適度にとり入れており、様々な年代層に人気があるのも特徴です。


全生産数の約30パーセントが西ヨーロッパの他、世界各国に輸出されています。

自由な表現をするために

完全弛緩の感覚を見失ってしまうと、水の流れの中に、石を置いて流れを疎外するようなもの。

気持がまっすぐ指先に伝わらないため、心のままの音を出すのに大変な苦労をするのです。

そのため、やたら身体を動かしたり、顔にまでその無理は表れてきます。

それでも満足のいく表現ができれば、弾き方など云々する必要はないのですが、大抵は、うまくいって達者に弾くだけのピアノに終ってしまい、その上の段階にのぼれないのです。

ヨーロッパやアメリカへ勉強に行った音楽学生が一様に言われる言葉は「指はよく動くが、音がみな灰色である」ということ。

これは、音への感覚、心のあり方が根本問題ではありますが、そこまで行ける人は、普通はよい感性
と音を求める心は充分もっているもの、心で欲していても、弛緩を失っているために表現できないという場合が非常に多いのです。

そのため、『技術とは力を抜くことである』と、弛緩を得ようとするのですが、長い間培ってきた奏法によって弛緩の感覚を失っているのですから、いくら努力しても、これは大変困難なこととなります。

完全弛緩でさえあれば、音のイメージによって自然に音色の変化ができるのに、ただ音楽の理解だけで弾いていくことができるのに、それが自然にいかなくなってしまっているのです。

そのため、この音はこうする、ああすると、指の当て方とか、手首の使い方、腕の重みのかけ方などを、いちいち指示を受けなければならなくなるのです。

これでは、いくら何種類、何10種類の弾き方を覚えても、それに熟達しても、無数にある心の表現はなし得ません。

また、そういった弾き方の指導によって、自由な表現、心を打つ演奏ができるわけがありません。

現在のピアノのおけいこにおいては、動く指の訓練をして力の入った腕をつくり、今度はより高度な技術のために力の抜き方を教わる、という2度手間、無駄な訓練を強いられているのです。

しかし、1度色のついたものは、2度と純白にはならないように、動きの訓練をしてきた人にとっては、弛緩の感覚をつかむことは、容易ならざることとなってしまいます。

そのため、姿勢や呼吸法による矯正や、ヨガなどによってかたまった筋肉をほぐす、ということが行なわれることとなります。

完全弛緩奏法を会得している人と、そうでない人との違いは、はっきりとピアノの音質に出てきます。

力で弾く人の音は堅く、fは騒々しく、Pに安らぎがありません。

完全弛緩でこそ生れる表現の多彩さ

弾くこと主体の、ピアノのおけいこをしてきた人にとって、一番の問題点が、いままで述べてきたところの完全弛緩にあるのだと思います。

弛緩の感覚は内的に把握されなければならないもので、それは「音」を主体とした教育による第一歩からの正しい習慣によって、身体が自然に覚えていくものだからなのです。

外部的に加えられた運動によって力を抜くことは、完全弛緩ではありません。

また、技術の確実さは、タッチする前の安静にかかっており、必要でない運動は、いっさいこれを避けるということが最高度の技術を得るためのポイントです。

それなのに、力を抜くためのムダな運動により、演奏をより困難なものにしていることが、どんなに多いか分らないのです。

しかも、ピアノという楽器の宿命のように、そこを特に意識させなければ必ず弾くことが先立つため、例外なくカが入り、その力に力をもって対抗するかのように指の訓練が行われるのです。

これは、重い荷物を背負って走らされているようなもので、どんなに訓練しても、身軽な人の自由さには及びもつきません。

しかもそうやって訓練してきた人は、筋肉を鍛えているので、そんな無駄な力を使っているとは思ってもいないのです。

そして、動きのパターンを身につけて、リズムにのって、かなり達者に弾くことはできますが、音色、音質の問題となると、またまた壁にぶつかってしまいます。

音による心の表現こそ、完全弛緩であるからこそ、気持がまっすぐに指先に伝わっていくのです。

完全弛緩をおいてほかに、その自由な表現はありません。

腱鞘炎はこわい

単純な指の使い過ぎによっておこる腱鞘炎も、全快までに大変時間がかかるので、ピアノを弾く人には警戒しなければならない病気です。

『頭で弾く』奏法によってピアノのおけいこをしてきた人は、ピアノを弾くとは、音を聴き、頭を使うことなので、頭脳の疲労こそあれ指をいためることはありません。

しかし、指の訓練を中心にしたおけいこでは、メカニックをつけたいあまり時間を忘れてしまうので、気がついた時は手遅れになる、という危険性を充分もっています。

ちょっとしたはずみで腱を傷めた場合は、「はり」などで簡単に治ることもありますが、弾き過ぎて万一腱靱炎になってしまったのなら、とにもかくにも休ませることしかありません。

原因は、明らかに使い過ぎなのですから、炎症をとるための湿布をして、その手は絶対安静という覚悟で、しばらくピアノは捨てなければなりません。

注射などで弾きながら直そうなどと思うと、かえって辛い思いをすることになるので、覚悟をきめて何ヶ月か、時には1年位、ピアノを忘れることです。

湿布ははじめが大事で、はじめのうちは3~4時間ごとに取り変えるほうがよいでしょう。

しかし何といっても休めることが第一なので、その後はあせらず、気持を切り変えることが大切です。

症状によっていろいろなので一概には言えませんが、何ヶ月かの安静後の注射が効果てきめん、ということもあります。

また、ラドン温泉による治療は、新陳代謝を促進し、回復をはやめてくれます。

しかし、1年以上は休むつもりでその間、榊状態が悪くならないように他に目的をつくると、それもまた楽しくなるでしょう。

読書やレコード鑑賞なども、ただ漫然とするのではなく、計画的にすると興味が湧いて集中でき、思いがけない収穫になると思います。

ピアニストの病気

腕を鍵盤の位置まで上げ、その状態を保っていれば、何の運動を行なわなくとも疲労がきます。

そのためには、僧帽筋、三角筋という首、肩、背中にわたってはたらく筋肉の支えを必要としているからです。

肘を下へ落していても肘先に手の重みをかけるということは、前腕には、つねに筋肉の静的収縮が行なわれています。

これはピアノを弾くためにはあまり必要のない労力なのに、現実にはほとんどつねに、そういった筋肉の静的収縮のもとにピアノを弾いているのです。

そしてまた、動く指、強靱な打鍵をすることのできる指の訓練をしているのです。

この状態が、ピアニストの病気として問題になっている、頸肩腕症候群をひきおこす土壌となっています。

そのような状態で長時間ピアノを弾き続けていれば、手の小さい人や、筋肉の弱い人に障害がおきるのは当然なことといえましょう。

頸肩腕症候群といわれるものは、単なる腱鞘炎ではなく、本来は先に述べたような状態(上肢の挙上、保持状態)で、指を反復使用する作業に多発している職業病です。

以前は、キーパンチャー病といわれたものです。

これは手-腕-肩-背中にかけて痛みが出、ピアニストがこの病気になったら、再起不能といわれるほど、治りにくいものです。

それを防ぐためにも一番大事なことは、つねに完全弛緩状態においてピアノを弾いていくことしかありません。

正しい音楽教育をしよう

素晴しい音楽の世界に憧れて、ピアノのおけいこをはじめた人々が、苦しさのみで終ってしまうことがよくあります。

これは、ピアノを弾くことの基礎が間違っているためだということを、つくづく感じさせられます。

ピアノほどむずかしい楽器を、才能教育のもとに幼児に無理じいしたり、はやく上手に弾かせようと先を急ぐため、基礎にこそしてあげなければならない土台作りがなされないのです。

そればかりか、間違ったところへいってしまうからなのです。

ピアノ教育にあたるすべての人は、この基礎教育の重大さが分って、みなが正しい音の認識をもって、指導にあたらなければならないことを痛感します。

完全弛緩の感覚が命

アレクセーエフ著『音楽作品の研究』には、このようなことが書かれています。

『われわれが「自由」と呼ぶものは、筋肉のあらゆる緊張がとれた状態でなく、運動の妨げになる余分な
緊張がとれた状態である』。

これは実際には分りにくく、運動感覚でいくと、力の抜き方、腕の使い方、ということになります。

しかし本当は、その必要な緊張とは動きが作るものではなく、頭の命令が作るものであり、音への要求によって、自然に肉体が反応する緊張なのです。

そしてそれは、完全弛緩であるからこそできることなのです。

ピアノの演奏で絶対に必要なことは、完全弛緩の感覚を失わせてはならない、という一語に尽きる、といっても過言ではありません。

完全弛緩であるからこそ、指先に意識をもつくことができ、手、腕、は自由にはたらけるのです。

頭の命令のままに、生きた機械のように、巧妙に、迅速に、目的を果たせるのです。

技術が先に立つと上記のような言葉となり、それは非常にむずかしく、とくに練習途上の学生には解らない言葉となります。

完全弛緩のもと、頭が先行していけば、その緊張は自然に得られることで、音楽を考えることによって解決していくのです。

ピアノは完全弛緩であったならば、心の欲するさまざまな音質、音色が、指先の微妙な触覚によって鍵盤に直通していき、自分の心が直接ピアノに移ったかと思われるほど、深く感情移入することができます。

また、いっさいの暴力的なものなしに、腕全体を使った呼吸による音、最大のヴォリューム・大地のごとく太い音をも出すことができるのです。

そして、すべての音は、意識の中にとらえることができます。

意識された音は透明度が高く、気品があり、動きは繊細に、演奏は精神的になります。

動きから入った人は、すべての音を意識する、などのことは不可能だと思っているようですが、これは、入り方の違い、頭の使い方の違いによるのです。

そしてこの方法だと、どんなにらくに心にかなった演奏ができ、自分で音楽を再創造していく喜びに心が満たされるか分らないのです。

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