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2009年12月 アーカイブ

ピアノを弾く腕の重みは全部下へ

完全弛緩状態においてピアノを弾く、ということ。

これは、真直ぐ伸びた腰から背骨を中心に肩からストンと落ちたその腕は、前腕の重みも肘の方へ抜き、手のかまえもすべて取り除いた自然な「休め」の状態で、指先の意識のみで弾くことなのです。

ということは、指先を使うために、本当に必要な筋肉のみしか使わない、ということなのです。

これで弾くことができたならば、腕は完全弛緩状態のままで弾けるので、指はよく動き、また腕全体を使って、ありとあらゆる音楽の表現を、自由自在に、呼吸のままにできるようになります。

指先に手の重みをのせて弾く、という弾き方は、完全弛緩ではないのです。

大部分の人は、手や腕の重みを、直接、鍵盤の上にかけて重心移動をし、fを出す、と思っているようです。

それが古い時代の、指先だけのいわうるフィンガーテクニックと、ロマン派以後の、多彩な表現を必要とする重力による奏法との違いである、と思っているようです。

しかし、その腕の重みは、直接指先にかけるのではなく、全部、下へ落してしまってよいのです。

それが、ギーゼキングのいう、歩行の際の腕の状態であり、これが、完全弛緩状態なのです。

これが指先のはたらきを活発にし、呼吸で弾くことのできる腕の状態なのです。

必要な時は腕全体を使ってfが出せ、しかも、タッチから入っているので、音色は心に思うのみ。

それで、指先はその通りに表現してくれるのです。

特に重心移動などといわなくとも、この弛緩状態にある腕が、音の要求どおりに、自然に重心移動をしてくれます。

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